🏗️ サーバー構築・運用 第1章-2節

役割と機能のインストール

Windows Serverの「役割」と「機能」

Windows Serverでは、サーバーが提供するサービスを「役割(Roles)」「機能(Features)」として管理します。必要なものだけをインストールすることで、セキュリティリスクの低減とリソースの効率的な利用が実現できます。

役割と機能の違い

分類説明代表例
役割(Roles)サーバーの主要な機能。サービスの提供目的を定義AD DS、DNSサーバー、DHCPサーバー、Webサーバー(IIS)、ファイルサーバー
機能(Features)役割を補助する追加コンポーネント.NET Framework、BitLocker、フェールオーバークラスタリング、Windows Serverバックアップ、Telnetクライアント

サーバーマネージャーによる管理

サーバーマネージャーは、デスクトップエクスペリエンスで利用できるGUI管理ツールです。ログオン時に自動的に起動し、以下の操作が可能です。

  • 役割と機能の追加・削除
  • サーバーの状態監視(イベント、サービス、パフォーマンス)
  • 複数サーバーの一元管理(リモートサーバーの追加)
  • ベストプラクティスアナライザー(BPA)による構成チェック

📋 具体例

役割の追加手順(サーバーマネージャー):
1. サーバーマネージャーを開き「管理」→「役割と機能の追加」をクリック
2. 「役割ベースまたは機能ベースのインストール」を選択
3. 対象サーバーを選択
4. 追加したい役割(例:Active Directoryドメインサービス)にチェック
5. 必要な機能が自動的に提案されるので「機能の追加」をクリック
6. 確認画面で「インストール」を実行
7. AD DSの場合は追加で「このサーバーをドメインコントローラーに昇格する」リンクをクリック

PowerShellによる役割・機能管理

Server Coreや自動化にはPowerShellが不可欠です。主要なコマンドレットを覚えましょう。

コマンドレット説明使用例
Get-WindowsFeatureインストール可能な役割・機能の一覧と状態を表示Get-WindowsFeature | Where Installed
Install-WindowsFeature役割・機能をインストールInstall-WindowsFeature -Name AD-Domain-Services -IncludeManagementTools
Uninstall-WindowsFeature役割・機能をアンインストールUninstall-WindowsFeature -Name Web-Server
Get-WindowsFeature -Name *DNS*名前でフィルター検索DNSに関連する役割・機能を検索

ポイント:-IncludeManagementToolsオプションを付けないと、管理ツール(MMCスナップインやPowerShellモジュール)がインストールされません。特にリモート管理を行う場合は必ず指定しましょう。

よく使う役割の内部名

PowerShellで役割をインストールする際の内部名を把握しておくと効率的です。

役割内部名用途
Active DirectoryドメインサービスAD-Domain-Servicesユーザー・コンピュータ管理
DNSサーバーDNS名前解決
DHCPサーバーDHCPIPアドレス自動割り当て
ファイルサーバーFS-FileServerファイル共有
Webサーバー(IIS)Web-ServerWebサイト・Webアプリ
Windows ServerバックアップWindows-Server-Backupバックアップと復元
Hyper-VHyper-V仮想マシン基盤
印刷サーバーPrint-Serverプリンター共有

Windows Admin Center(WAC)

Windows Admin Center(WAC)は、マイクロソフトが推進するWebベースの統合管理ツールです。ブラウザから複数のWindows Serverを管理できます。

  • 無料で利用可能(Windows Serverライセンスに含まれる)
  • ブラウザベースのため、管理用PCにRSATをインストールする必要がない
  • サーバー、クラスター、ハイパーコンバージドインフラの統合管理
  • Azure連携機能(Azure Backup、Azure Monitor、Azure Update Managementなど)
  • 拡張機能によるサードパーティツールの統合

📋 具体例

Windows Admin Centerのインストール:
1. Microsoft公式サイトからWACのMSIインストーラーをダウンロード
2. 管理用PCまたは専用サーバーにインストール(ゲートウェイモードがおすすめ)
3. ブラウザでhttps://管理サーバー名:6516にアクセス
4. 管理対象サーバーを「接続の追加」から登録
5. サーバー名をクリックするとダッシュボードが表示され、CPU・メモリ・ディスクの状態をリアルタイム監視可能

RSAT(リモートサーバー管理ツール)

クライアントPC(Windows 10/11)からサーバーをリモート管理するには、RSATをインストールします。

管理対象RSATツール
Active DirectoryActive Directoryユーザーとコンピューター、ADサイトとサービス
DNSDNS管理コンソール
DHCPDHCP管理コンソール
グループポリシーグループポリシー管理コンソール(GPMC)
サーバー全般サーバーマネージャー

Windows 10/11ではRSATは「オプション機能」として追加できます。PowerShellでは以下のコマンドで一括インストールが可能です。

Get-WindowsCapability -Name RSAT* -Online | Add-WindowsCapability -Online

⚠️ 注意

RSATのインストールにはインターネット接続が必要です(Windows Updateからダウンロード)。社内プロキシ環境ではWSUSやオフラインインストールが必要になることがあります。また、RSATのバージョンは管理対象のWindows Serverバージョンと合わせることが推奨されます。

ひとり情シスの管理環境構築

効率的なサーバー管理環境の推奨構成は以下の通りです。

  1. 管理用PCにRSATをインストール(日常的なAD管理、DNS管理用)
  2. Windows Admin Centerをゲートウェイモードで構築(Web経由の統合管理)
  3. PowerShellリモーティングを有効化(Enable-PSRemotingで設定)
  4. RDP(リモートデスクトップ)をバックアップとして設定(緊急時のGUI操作用)

ひとり情シスの視点:サーバー室まで移動せずに自席から管理できる環境を整えることが、業務効率化の第一歩です。特にWindows Admin Centerはブラウザだけで使えるため、出先やテレワーク環境からの管理にも対応できます。