ドキュメント管理
ドキュメント管理 ― IT環境を「見える化」する
「ネットワーク構成図はありますか?」と聞かれて即座に出せますか? 「このサーバーの管理者パスワードは?」と問われてすぐ答えられますか? ドキュメント管理は地味ですが、ひとり情シスにとって命綱とも言える業務です。あなたが不在のとき、ドキュメントだけが会社を守ります。
最低限整備すべきドキュメント
まずは以下の5つを整備しましょう。完璧でなくても「存在する」ことが重要です。
- ネットワーク構成図
- IPアドレス管理表
- パスワード管理台帳
- IT資産台帳
- 運用手順書
ネットワーク構成図の作り方
ネットワーク構成図は、IT環境の「地図」です。障害対応時、ベンダーへの説明時、新規導入の設計時など、あらゆる場面で使います。
- 物理構成図 ― 機器の接続関係を示す。どのスイッチのどのポートに何が接続されているか
- 論理構成図 ― VLAN、サブネット、ルーティングなど論理的なネットワーク構成
ツールは無料のdraw.io(diagrams.net)で十分です。Visioを持っていなくても、ブラウザ上で本格的な構成図が作れます。
IPアドレス管理表
固定IPアドレスを使用している機器の一覧です。Excelで管理するのが最もシンプルです。
| IPアドレス | 機器名 | 用途 | 設置場所 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 192.168.1.1 | RTX1220 | ルーター | サーバールーム | デフォルトゲートウェイ |
| 192.168.1.10 | SV-AD01 | Active Directory | サーバールーム | DNS/DHCP兼用 |
| 192.168.1.11 | SV-FILE01 | ファイルサーバー | サーバールーム | RAID5 |
| 192.168.1.20 | MFP-1F | 複合機(1階) | 1階事務所 | リコー MPC3504 |
| 192.168.1.100〜200 | ― | DHCP範囲 | ― | 社員PC用 |
パスワード管理
管理者パスワードの管理は最も注意が必要です。以下のルールを守りましょう。
- Excelファイルにパスワードを書かない ― 誰でもアクセスできるファイルにパスワードを平文で保存するのは危険
- パスワードマネージャーを使う ― KeePass(無料)やBitwarden(無料プランあり)がおすすめ
- 緊急時用の封緘書類 ― 重要パスワードは紙に記載し、封をした状態で金庫に保管。自分が不在時の最終手段
- 共有パスワードは最小限に ― 個人アカウントを原則とし、共有アカウントは極力減らす
手順書の書き方
運用手順書は、あなたの代わりに作業を行う人のために書きます。以下の点を意識しましょう。
- ITに詳しくない人でも実行できるレベルで書く ― 「サービスを再起動する」ではなく、「スタートメニュー → services.msc と入力 → Print Spoolerを右クリック → 再起動をクリック」のように具体的に
- スクリーンショットを多用する ― 文字だけの手順書は読まれない
- 判断基準を明記する ― 「問題がある場合は対応する」ではなく、「○○が表示された場合は、△△を実行する」
引き継ぎ資料の準備
「自分がいなくなったらどうなるか」を常に意識してドキュメントを整備することが、結果的に日々の業務を楽にします。引き継ぎ資料として以下を整備しておきましょう。
- IT環境全体の概要(サーバー構成、ネットワーク構成、利用サービス一覧)
- 定期作業の一覧と手順
- ベンダー連絡先一覧
- 過去の主要な障害とその対応記録
- パスワード管理台帳へのアクセス方法
ドキュメント整備は「時間があるときにやろう」と後回しにしがちですが、業務時間の一部として定期的に取り組む習慣をつけましょう。
✅ 完了済み