🔒 セキュリティ 第2章-2節

フィッシングと標的型攻撃

フィッシング攻撃の手口

フィッシング(Phishing)とは、正規のサービスを装った偽のメールやWebサイトでユーザーを騙し、IDやパスワード、クレジットカード情報などを窃取する攻撃です。手口は年々巧妙化しており、中小企業の従業員も日常的にこの脅威にさらされています。

フィッシングの典型的なパターン

  • 緊急性を煽るメール:「アカウントが停止されます」「不正ログインを検知しました」
  • 偽の請求書・配送通知:「荷物の配送に失敗しました」「請求書を添付します」
  • 経営者なりすまし:社長や上司の名前で「至急振り込み」を指示
  • ドメイン偽装:正規ドメインに似た紛らわしいURL(例:microsoft→rnicrosoft)
  • QRコードフィッシング(Quishing):不正なQRコードで偽サイトに誘導

ビジネスメール詐欺(BEC)

BEC(Business Email Compromise)は、取引先や経営者になりすまして金銭を騙し取る攻撃で、被害額が非常に大きいことが特徴です。

  1. 攻撃者がメールアカウントを乗っ取る、または偽ドメインから送信
  2. 取引先との正規のやり取りを観察し、タイミングを見計らう
  3. 「振込先が変更になりました」と偽の口座情報を送付
  4. 経理担当が確認せずに振り込み、被害が発生

対策:振込先の変更依頼があった場合は、メール以外の手段(電話等)で必ず本人確認する運用ルールを設けましょう。

標的型攻撃(APT)

APT(Advanced Persistent Threat)は特定の組織を狙い、長期間にわたって持続的に攻撃する高度な脅威です。大企業だけでなく、取引先として中小企業が踏み台にされるケースが増えています。

  • サプライチェーン攻撃:大企業のセキュリティが堅固なため、取引先の中小企業から侵入
  • 水飲み場攻撃:ターゲットがよく閲覧するWebサイトを改ざんして感染させる
  • やり取り型攻撃:何度かメールでやり取りした後にマルウェア付きファイルを送付

ソーシャルエンジニアリングへの対策

技術的な攻撃だけでなく、人間の心理を突く手法にも備えが必要です。

  • 電話での情報聞き出し:IT部門やヘルプデスクを装ってパスワードを聞く手口に注意
  • テールゲーティング:入退室時に後ろからついてくる人物の確認を徹底
  • ショルダーハッキング:のぞき見によるパスワード窃取。覗き見防止フィルターの活用
  • 不審なメールの報告窓口を設置し、従業員が気軽に相談できる体制を作る

攻撃者は「人」を最も脆弱な部分として狙ってきます。技術的対策と合わせて、日常的な啓発活動が不可欠です。