🖥️ HW・SW 第2章-3節

無線LANとネットワーク設計

無線LANとネットワーク設計

オフィスの無線LAN環境は、家庭用ルーター1台で済ませられるものではありません。企業レベルの安定性・セキュリティを確保するには、適切な機器選定と設計が必要です。

アクセスポイント(AP)の選定

管理方式特徴向いている規模
スタンドアロン型各APを個別に設定・管理。低コストAP 1〜3台程度の小規模拠点
コントローラー型無線LANコントローラーから全APを一括管理AP 5台以上の中規模拠点
クラウド管理型クラウド上のダッシュボードで全拠点を管理多拠点展開。Meraki、Aruba Instantなど

ひとり情シスにはクラウド管理型がおすすめです。Web画面から設定変更・監視・トラブルシューティングが可能で、現地に行かなくても対応できます。

SSID設計のベストプラクティス

SSIDは用途別に分けて運用するのが基本です。

  • 社内業務用SSID: WPA3-Enterprise(802.1X認証)推奨。Active Directoryと連携
  • ゲスト用SSID: インターネットのみ許可。社内リソースへのアクセスはブロック
  • IoT機器用SSID: プリンター、複合機、会議室機器など。VLAN分離を推奨

SSIDの数は最小限(3〜4個以下)に抑えましょう。SSIDが増えるほどビーコンフレームが増加し、無線帯域を圧迫します。

AP設置の注意点

  • 電波干渉を避ける: 2.4GHz帯はチャンネル1、6、11のみ使用。5GHz帯・6GHz帯(Wi-Fi 6E)を積極活用
  • 設置高さ: 天井付近(2.5〜3m)が理想。机の上は電波が遮られやすい
  • カバレッジ設計: 1台のAPで20〜30台程度を目安にAPを配置。ヒートマップツールで電波状況を可視化
  • PoE給電: PoEスイッチからLANケーブル1本で電力供給。電源工事が不要

企業ネットワーク構成図の読み方

ネットワーク構成図は情シスの基本資料です。以下の要素を読み取れるようにしましょう。

  1. 物理構成図: 機器の接続関係、ポート番号、ケーブル種類
  2. 論理構成図: IPアドレス体系、VLAN構成、サブネット
  3. セグメント分け: DMZ、サーバーセグメント、業務セグメント、ゲストセグメント

構成図が存在しない場合は、まず現状を図に起こすことが最優先のタスクです。Visio、draw.io(無料)、Lucidchartなどで作成し、変更のたびに更新しましょう。ネットワーク構成図がない環境での障害対応は、暗闇でパズルを解くようなものです。