🖥️ HW・SW 第5章-3節

VDI・リモートデスクトップ

VDI・リモートデスクトップ

リモートワークの普及に伴い、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)やリモートデスクトップの需要が高まっています。自社に適した方式を選ぶために、それぞれの特徴と使い分けを理解しましょう。

RDP(Remote Desktop Protocol)

Microsoftが開発したリモート接続プロトコルで、Windows Proエディション以上に標準搭載されています。

  • 1対1接続: 1台のPCに1ユーザーが接続。社内PCへのリモートアクセスに利用
  • 設定が簡単: Windowsの設定から有効化するだけ
  • 注意点: インターネット経由で直接RDP接続するのは極めて危険。必ずVPN経由にする

RDS(Remote Desktop Services)

Windows Serverの機能で、1台のサーバーに複数ユーザーが同時接続してデスクトップ環境を利用できます。

  • セッションベース: サーバーのリソースを複数ユーザーで共有
  • 必要なライセンス: Windows Server CAL + RDS CAL(ユーザーまたはデバイス単位)
  • メリット: サーバー1台で10〜20ユーザー分のデスクトップを提供可能。コスト効率が良い
  • デメリット: アプリの互換性問題が発生しやすい。全ユーザーが同一OS環境を共有

VDI(仮想デスクトップ基盤)

VDIはサーバー上で個別の仮想マシンを動かし、各ユーザーに専用のデスクトップ環境を提供する方式です。

方式説明特徴
専用(Persistent)VDIユーザーごとに固定のVMを割当自由度高。カスタマイズ可能。リソース消費大
非専用(Non-persistent)VDIログイン時にプールからVMを割当リソース効率高。マスターイメージで一括管理

従来のVDI(VMware Horizon、Citrix Virtual Desktopsなど)は初期投資が大きく、中小企業にはハードルが高い技術でした。

Windows 365 / Azure Virtual Desktop(AVD)

クラウドベースのVDIサービスが中小企業にも選択肢となっています。

  • Windows 365: 月額固定料金のCloud PC。1ユーザーあたり月額約4,000〜10,000円。設定が簡単で、ひとり情シスでも導入しやすい
  • Azure Virtual Desktop(AVD): 従量課金型。柔軟なカスタマイズが可能だが、Azure知識が必要

シンクライアント

シンクライアントはVDI/RDS接続専用の端末です。

  • メリット: ローカルにデータが残らない(情報漏洩対策)。故障時も端末交換だけで復旧
  • デメリット: ネットワーク障害時に業務が完全停止。回線品質への依存度が高い

方式選定の判断基準

  1. ユーザー数10人以下: VPN + RDPで社内PCにリモート接続が最もシンプル
  2. ユーザー数10〜50人: Windows 365またはRDSを検討
  3. セキュリティ要件が厳しい: VDI(AVD)またはシンクライアント + RDS
  4. コスト重視: RDSがユーザー単価最安。ただし互換性の事前検証が必須