ヘルプデスクの役割と体制
ヘルプデスクの役割と体制 ― 社内ITサポートの要
「パソコンが動かないんだけど…」「このソフトの使い方がわからない」――ひとり情シスの日常は、こうした問い合わせから始まります。ヘルプデスクはIT部門の「顔」であり、社員との最初の接点です。体制をしっかり整えることで、日々の対応がぐっと楽になります。
ヘルプデスクの基本的な役割
ヘルプデスクの役割は大きく分けて3つあります。
- 問い合わせ受付 ― 社員からのIT関連の相談・トラブル報告を一元的に受け付ける窓口
- 一次対応・切り分け ― 自分で解決できるものはその場で対応し、難易度の高いものはベンダーにエスカレーション
- 記録・改善 ― 対応履歴を残し、再発防止策やFAQに反映させる
問い合わせ窓口の設計
ひとり情シスでありがちな失敗は、「口頭での依頼」が飛び交い、何を頼まれたか分からなくなることです。窓口を一本化しましょう。
| 窓口の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| メール(専用アドレス) | 記録が残る、非同期で対応可 | 緊急時に気づきにくい |
| チャット(Teams/Slack) | リアルタイム対応、気軽に相談 | 流れて見落としやすい |
| チケットシステム(Redmine等) | 進捗管理が容易、統計が取れる | 導入ハードルがやや高い |
| Googleフォーム | 無料・簡単に導入可 | 双方向のやり取りに不向き |
小規模企業であれば、まずは「専用メールアドレス+Googleスプレッドシートで管理」から始めるのが現実的です。慣れてきたらチケットシステムへ移行しましょう。
チケット管理の基本
問い合わせを「チケット」として管理することで、対応漏れを防げます。最低限記録すべき項目は以下のとおりです。
- 受付日時 ― いつ依頼が来たか
- 依頼者 ― 誰からの依頼か
- カテゴリ ― ハードウェア / ソフトウェア / ネットワーク / アカウント など
- 内容 ― 何が起きているか(症状の記録)
- 優先度 ― 緊急 / 高 / 中 / 低
- ステータス ― 未対応 / 対応中 / 完了
- 対応内容 ― 何をしたか(ナレッジとして蓄積)
対応優先度とSLA目標
すべてのリクエストに即座に対応するのは不可能です。優先度を明確にし、社内に周知しましょう。
| 優先度 | 例 | 目標応答時間 | 目標解決時間 |
|---|---|---|---|
| 緊急 | 全社ネットワーク停止、サーバーダウン | 15分以内 | 2時間以内 |
| 高 | 特定部署のPC障害、メール送受信不可 | 30分以内 | 4時間以内 |
| 中 | プリンター不具合、ソフトの操作質問 | 2時間以内 | 1営業日 |
| 低 | 新規ソフト導入相談、改善要望 | 1営業日以内 | 1週間以内 |
SLA(サービスレベルアグリーメント)を社内で共有しておくと、「すぐやって!」という無理な要求にも冷静に対応できます。最初は簡易的なもので構いませんので、対応基準を「見える化」することが大切です。
✅ 完了済み