🛠️ 情シス実務 第2章-1節

ベンダーとの付き合い方

ベンダーとの付き合い方 ― IT業者との賢い関係構築

ひとり情シスにとって、ベンダー(IT業者)は最大の味方です。すべてを自分一人で抱え込む必要はありません。ベンダーとうまく付き合うことで、自分のスキルを超えた領域もカバーできるようになります。

ベンダーの種類を理解する

「IT業者」とひとくちに言っても、さまざまな種類があります。それぞれの役割を正しく理解しましょう。

種類役割具体例
SI会社(システムインテグレーター)システム全体の設計・構築・運用を請け負う大塚商会、リコージャパン、地元のSI企業
ソフトウェアベンダー特定のソフトウェア製品を開発・販売サイボウズ、freee、マネーフォワード
ハードウェアメーカーPC・サーバー・ネットワーク機器の製造・サポートDell、HP、Lenovo、YAMAHA(ルーター)
販売代理店(リセラー)複数メーカーの製品を取り扱い、導入支援地域のOA機器販売店
クラウドサービス事業者クラウド環境やSaaSを提供AWS、Azure、Google Cloud

窓口管理の重要性

複数のベンダーと取引していると、「どのベンダーに何を頼めばいいか」が分からなくなります。以下の情報を一覧表にまとめておきましょう。

  • ベンダー名・担当者名・連絡先(電話・メール)
  • 契約内容(何のサービスを受けているか)
  • 契約期間・更新日
  • サポート受付時間
  • 緊急連絡先(営業時間外の対応窓口)

この一覧表は、自分が不在のときに他の社員が参照できるよう、共有フォルダなど分かりやすい場所に保管しておきます。

良好な関係を築くコツ

ベンダーも人間です。良い関係を築くことで、いざというときに優先的に対応してもらえることもあります。

  1. 敬意を持って接する ― 「業者だから」と上から目線にならない。パートナーとして対等に接する
  2. 情報を正確に伝える ― 「なんか動かない」ではなく、いつから・何が・どのように起きているかを具体的に
  3. レスポンスを早くする ― ベンダーからの質問や確認にはなるべく早く返答する
  4. 感謝を伝える ― 対応してもらったら「ありがとうございます」と伝える。当たり前だが意外とできていない人が多い

定例会議の活用

主要なベンダーとは月1回〜四半期に1回の定例会議を設定することをお勧めします。定例会議で話す内容は以下のとおりです。

  • 前回からのインシデント振り返り
  • 今後の導入予定・計画の共有
  • ライセンスや契約の更新時期の確認
  • 新しい製品・サービスの情報提供
  • 困っていること・改善したいことの相談

定例会議は「問題が起きてから慌てて連絡する」という受動的な関係から、「一緒にIT環境を良くしていく」という能動的なパートナーシップへ転換するきっかけになります。