SLAとサポート契約
SLAとサポート契約 ― 「いざというとき」に備える仕組み
サーバーが止まった金曜の夕方。慌ててベンダーに電話すると「保守契約を確認しますのでお待ちください」と言われ、結局週明けまで復旧できなかった――こんな悲劇は、SLAとサポート契約を正しく理解していれば防げます。
SLA(サービスレベルアグリーメント)とは
SLAとは、サービス提供者と利用者の間で合意された「サービスの品質基準」のことです。ITの世界では、以下のような指標で定義されます。
| 指標 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 応答時間 | 問い合わせから最初の回答までの時間 | 30分以内 |
| 復旧時間(RTO) | 障害発生からサービス復旧までの目標時間 | 4時間以内 |
| 稼働率 | サービスが正常に利用できる時間の割合 | 99.9%(年間ダウンタイム約8.7時間) |
| オンサイト駆けつけ時間 | 技術者が現地に到着するまでの時間 | 翌営業日 |
サポート契約の種類
ハードウェアやソフトウェアのサポート契約には、いくつかのレベルがあります。予算と業務の重要度に応じて選びましょう。
- オンサイト保守 ― 技術者が現地に来て対応。サーバーやネットワーク機器など、自分で交換が難しい機器向け
- センドバック保守 ― 故障した機器をメーカーに送り、修理品を受け取る。コストは安いが復旧に時間がかかる
- 当日オンサイト ― 連絡した当日に技術者が来る。最も高額だが、基幹業務を支えるサーバー等に推奨
- 翌営業日オンサイト ― 翌営業日に対応。多くの中小企業はこのレベルで十分
- リモートサポート ― 電話やリモートアクセスで対応。ソフトウェアの問題解決に適している
保守レベルの選び方
すべての機器に最高レベルの保守契約をつける必要はありません。業務への影響度で判断しましょう。
| 機器・サービス | 業務影響 | 推奨保守レベル |
|---|---|---|
| 基幹サーバー(ファイルサーバー、AD) | 全社業務停止 | 当日オンサイト + 予備機 |
| 業務用PC(経理・営業) | 該当者の業務停止 | 翌営業日オンサイト or 予備PC |
| プリンター・複合機 | 不便だが代替可 | センドバック or リース契約に含む |
| 会議室モニター等 | 影響は限定的 | 保守なし(壊れたら買い替え) |
契約更新時のチェックポイント
保守契約は年次で更新されることが多いです。更新前に以下を確認しましょう。
- 対象機器の棚卸し ― すでに廃棄した機器の保守料を払い続けていないか
- 保守レベルの見直し ― 導入時に「当日オンサイト」にしたが、実際にはそこまで不要ではないか
- EOL(End of Life)の確認 ― メーカーサポートが終了する機器はないか
- 保守費用の相場感 ― 他社の見積もりも取って適正価格かを確認
保守契約は「保険」のようなものです。使わないときはムダに感じますが、いざというときに契約がなければ莫大なコストと時間を失います。特にサーバー機器の保守は、ケチらないことを強くお勧めします。
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