🛠️ 情シス実務 第4章-2節

RFP(提案依頼書)の書き方

RFP(提案依頼書)の書き方 ― ベンダーから良い提案を引き出す技術

新しいシステムを導入する際、ベンダーに「なんかいい感じのシステムを提案してください」とお願いしていませんか? これでは的外れな提案が返ってくるのは当然です。RFP(Request for Proposal=提案依頼書)を作成することで、自社の要望を正確に伝え、比較可能な提案を受け取ることができます。

RFPの目的

RFPを作成する目的は3つあります。

  • 自社の要件を整理する ― 書き出すことで、曖昧だった要件が明確になる
  • ベンダー間の公平な比較 ― 同じ条件で提案をもらうことで、価格・機能を客観的に比較できる
  • ベンダーとの認識齟齬を防ぐ ― 「言った・言わない」のトラブルを回避できる

RFPに記載すべき項目

完璧なRFPを書く必要はありません。以下の項目を押さえれば十分です。

項目内容ポイント
会社概要従業員数、拠点数、業種ベンダーが規模感を把握するため
プロジェクト背景なぜこのプロジェクトを行うのか背景を理解した提案をもらうため
現状の課題今困っていること、現行システムの問題具体的に書くほど良い提案が来る
要件(必須/希望)実現したい機能・条件「必須」と「あれば嬉しい」を分ける
予算感概算予算のレンジ予算を示さないと的外れな提案が来る
スケジュール導入希望時期現実的なスケジュールを設定する
提案方法提出期限、フォーマット、プレゼンの有無評価しやすいよう統一する
評価基準何を重視して選定するかベンダーが注力すべきポイントが分かる

評価基準の設計

提案を評価する基準を事前に決めておきましょう。以下は一般的な評価基準の例です。

評価項目配点評価ポイント
機能要件の充足度30点必須要件をすべて満たしているか
価格(初期+5年TCO)25点初期費用だけでなくTCOで比較
導入実績15点同規模・同業種での導入経験
サポート体制15点サポート窓口、対応時間、体制
使いやすさ10点デモを見てのUI/UXの評価
将来性・拡張性5点今後の機能追加予定、連携性

よくある失敗

初めてRFPを書く際に陥りがちな失敗を挙げます。

  1. 要件が曖昧すぎる ― 「使いやすいこと」ではなく「スマートフォンからも利用可能であること」と具体的に書く
  2. 予算を伝えない ― ベンダーは予算が分からないと安全策で高めの提案を出しがち
  3. 提案期限が短すぎる ― 最低2〜3週間は確保する。良い提案には時間が必要
  4. 1社だけに依頼する ― 比較対象がないと価格・内容の妥当性が判断できない
  5. 完璧を求めすぎる ― 100ページのRFPは中小企業には不要。A4で5〜10ページあれば十分

RFPは「完璧な文書」を書くことが目的ではありません。ベンダーとの対話のきっかけとなる「叩き台」を作ることが大切です。まずは書いてみましょう。