📋 IT資産・物品管理 第2章-1節

固定資産としてのIT機器

固定資産としてのIT機器

IT機器は「モノ」であると同時に「会計上の資産」でもあります。ひとり情シスが機器を購入する際、「固定資産に計上するのか、経費で落とすのか」の判断が求められます。ここでは、中小企業のIT担当者が最低限知っておくべき固定資産の基礎知識を解説します。

取得価額の考え方

取得価額とは、その資産を取得するために要した金額の合計です。本体価格だけではなく、以下も含まれる点に注意しましょう。

  • 本体価格(税抜)
  • 付随費用:送料、設置費用、初期設定費用
  • メモリ増設やSSD換装など、取得時に行ったカスタマイズ費用

ただし、取得後に行ったメモリ増設などは「資本的支出」として別途判断が必要です(修繕費との区分)。

少額減価償却資産の区分

取得価額に応じた会計処理の違いを理解しておきましょう。

取得価額(税抜)処理方法概要
10万円未満少額の減価償却資産全額をその年度の経費(消耗品費)として処理。資産計上不要
10万円以上20万円未満一括償却資産取得価額を3年間で均等に償却(3分の1ずつ経費化)。固定資産税の対象外
10万円以上30万円未満少額減価償却資産の特例中小企業者等の特例。全額をその年度の経費にできる(年間300万円まで)
30万円以上通常の減価償却耐用年数に応じて毎年償却。固定資産台帳に計上

ひとり情シスとして押さえるポイント

経理担当者と連携することが前提ですが、以下のポイントは知っておきましょう。

  1. 見積段階で税抜価格を確認:10万・20万・30万の境界は税抜で判断するケースが多い(税抜経理の場合)
  2. セットで購入する場合の注意:PC本体とモニターをセットで購入すると、合算して1つの資産として扱う場合がある
  3. 中小企業の特例を活用:資本金1億円以下の法人なら、30万円未満の資産を全額損金算入できる特例が使える
  4. 購入時に経理へ連絡:機器の購入時は、取得日・取得価額・設置場所を経理に必ず共有する

IT機器の購入は技術的な判断だけでなく、会計処理にも影響します。経理部門との連携を日頃から意識しておきましょう。