📋 IT資産・物品管理 第3章-1節

ソフトウェア資産管理の概要

ソフトウェア資産管理(SAM)の概要

ソフトウェア資産管理(SAM: Software Asset Management)は、組織が使用するソフトウェアのライセンスを適切に管理し、コンプライアンス違反のリスクを低減しながらコストを最適化するための管理手法です。ハードウェアと異なり「目に見えない」ソフトウェアの管理は、ひとり情シスにとって特に課題になりやすい分野です。

SAMとは何か

SAMは国際規格ISO/IEC 19770シリーズで体系化されています。具体的には以下の活動を含みます。

  • 組織内で使用されているソフトウェアの特定と記録
  • 保有ライセンス数と実際のインストール数の照合
  • ライセンスの過不足の是正
  • ソフトウェア関連コストの最適化
  • セキュリティリスクの管理(未認可ソフトウェアの検出)

中小企業ではISO規格に完全準拠する必要はありませんが、その考え方を参考に管理体制を構築しましょう。

管理対象の整理

まず、自社で使用しているソフトウェアを棚卸しし、種類ごとに分類します。

分類管理の注意点
OSWindows 11 Pro, Windows Server 2022ダウングレード権の有無、OEM版の移行制限
オフィスソフトMicrosoft 365, Google Workspaceプラン別の機能差、ユーザー数管理
セキュリティウイルスバスター、ESETライセンス更新期限、端末数上限
業務アプリ会計ソフト、CRM、グループウェア同時接続数制限、バージョンアップ権
開発・専門ツールCAD、Adobe Creative Cloud指名ユーザーライセンスの管理

ライセンス種別の把握

ソフトウェアのライセンスにはさまざまな形態があります。主なものを理解しておきましょう。

  • パッケージ(永続)ライセンス:一度購入すれば永続的に使用可能。ただしサポート終了に注意
  • ボリュームライセンス:複数ライセンスをまとめて購入。プロダクトキーの一元管理が可能
  • サブスクリプション:月額/年額で利用。常に最新版が使えるが、解約すると使用不可
  • OEMライセンス:PCに紐づくライセンス。そのPCでのみ使用可能で、別PCへの移行は不可
  • フリーソフト/OSS:無料だがライセンス条項(GPL、MIT等)の確認が必要

SAMの第一歩は「今、何のソフトウェアが何台に入っているか」を把握することです。資産管理ツールのインベントリ機能を活用すると効率的です。