あなたの強みを見つけよう ― VIA強み診断
強みに注目するという発想の転換
私たちは日常生活の中で、つい「自分のダメなところ」に目が向きがちです。「もっとテキパキ動ければいいのに」「人付き合いが苦手で困る」――こうした自己批判は誰にでもあるものです。
しかしポジティブ心理学では、弱みを克服するよりも強みを見つけて活かすほうが、幸福度もパフォーマンスも高まることが研究で示されています。セリグマン博士は「良い人生とは、自分の代表的な強みを毎日発揮することから生まれる」と述べています。
VIA(ヴィア)強み分類とは
セリグマン博士とクリストファー・ピーターソン博士は、世界中の文化や宗教、哲学を調査し、普遍的に価値のある人間の強み(性格特性)を24種類に分類しました。これがVIA(Values in Action)強み分類です。
24の強みは、6つの美徳(Virtue)のカテゴリに整理されています。
| 美徳 | 強み |
|---|---|
| 知恵 | 創造性、好奇心、知的柔軟性、向学心、大局観 |
| 勇気 | 勇敢さ、忍耐力、誠実さ、熱意 |
| 人間性 | 愛情、親切心、社会的知性 |
| 正義 | チームワーク、公正さ、リーダーシップ |
| 節制 | 寛容さ、慎み深さ、思慮深さ、自己調整 |
| 超越性 | 審美眼、感謝、希望、ユーモア、スピリチュアリティ |
自分の「代表的な強み」を見つける
24の強みの中でも、特にその人の核となる強み(通常5〜7つ)を「代表的な強み(Signature Strengths)」と呼びます。代表的な強みには、以下の特徴があります。
- 使っているとき、「これが本当の自分だ」と感じる
- その強みを発揮するとエネルギーが湧いてくる
- 自然にできるので、努力感が少ない
- その強みを使えないと物足りなさを感じる
強み発見のセルフチェック
以下の質問に答えてみましょう。自分の強みのヒントが見えてきます。
- 子どもの頃、夢中になっていたことは何ですか?
- 友人や家族から「あなたのいいところ」として言われることは?
- 時間を忘れて没頭できる活動は何ですか?
- 「これをしているとき、自分らしい」と感じるのはどんなとき?
- 人の役に立てて嬉しいと思うのはどんな場面?
日常に現れる強みの例
強みは特別な場面だけでなく、日常のあらゆる場面に現れます。
- 好奇心が強い人:新しいレシピを試すのが好き、知らない場所を散歩したがる
- 親切心が強い人:困っている人を見かけると放っておけない、お土産を買うのが好き
- ユーモアが強い人:家族を笑わせるのが得意、辛いときでも笑いを見つけられる
- 審美眼が強い人:花や空の美しさによく気づく、部屋のインテリアにこだわる
- 忍耐力が強い人:コツコツ続ける作業が好き、ガーデニングや手芸を根気よく楽しめる
強みは「すごい才能」のことではありません。日常の中で自然と発揮している、あなたらしさそのものが「強み」なのです。
VIA強み診断を受けてみよう
自分の強みを客観的に知りたい方には、VIA強み診断テストがおすすめです。VIA Institute on Character(viacharacter.org)のサイトで、無料で受けることができます(日本語版あり)。約15分の質問に答えると、24の強みのランキングが表示されます。
診断結果で上位に来る5〜7つが、あなたの「代表的な強み」です。結果を見たら、「確かにそうかも」と感じるものがあるはずです。
強みを知ることの効果
研究によると、自分の強みを認識し、意識的に使うことで以下の効果が得られます。
- 幸福度の向上:セリグマン博士の研究で、強みを新しい方法で使う実践を1週間続けた人は、6か月後も幸福度が上昇していた
- 自信の向上:「自分にはこういう良いところがある」と認識することで、自己肯定感が高まる
- ストレスへの耐性:困難に直面したとき、自分の強みを意識して対処できるようになる
- 人間関係の改善:自分の強みを理解すると、他者の強みにも気づきやすくなる
次のレッスンでは、見つけた強みを趣味や日常生活でどう活かすかを学びます。